エントリーシート(ES)は、新卒採用の第一関門として、多くの企業で必須の提出書類です。「どのように書けばいいのかわからない」「具体性をどう出せば良いのか」と悩む学生も多いでしょう。しかし、エントリーシートは単なる書類ではなく、企業に自分の魅力をアピールする絶好の機会です。

本記事では、エントリーシートの役割や重要性を解説し、具体的な書き方や例文、注意点を詳しくご紹介します。選考を突破するためのコツを押さえ、他の応募者との差をつけましょう!

エントリーシートとは?新卒就活での役割と重要性

新卒採用において、多くの企業が応募者に求めるのがエントリーシート(ES)です。エントリーシートは、履歴書や職務経歴書と異なり、応募者の個性や経験、志望理由を企業に伝えるための重要な書類です。

エントリーシートは、企業にとっては数多くの応募者を比較・選考する第一関門であり、応募者にとっては自分の魅力をアピールする最初のステップです。そのため、内容の質が書類選考の合否に大きく影響します。
本章では、エントリーシートの基本的な役割や、就職活動における重要性について詳しく解説します。エントリーシートの意義を理解し、選考突破のための土台をしっかり築きましょう!

エントリーシートの基本情報

エントリーシート(ES)は、新卒採用で企業に提出する応募書類で、自己PR」「志望動機」「学生時代に頑張ったこと(ガクチカ)」などを記載する書類です。履歴書が経歴や基本情報を記載するものなのに対し、エントリーシートは自分の能力や適性、価値観を深掘りしてアピールするものです。
企業によっては、エントリーシートが履歴書の代わりになる場合もあります。特に大手企業や人気企業では、エントリーシートが一次選考の重要な判断材料となります。

エントリーシートが選考に与える影響

エントリーシートは、多くの場合、書類選考の合否を決める第一関門です。企業の採用担当者は、応募者が数百人〜数千人に及ぶ場合もあるため、まずはエントリーシートでふるいにかけます。

企業がエントリーシートでチェックするポイント

  • スキルや経験の具体性(自分の強みや成果をどのように示しているか)
  • 志望度の高さ(なぜその企業で働きたいのかが明確か)
  • 価値観や人間性(企業文化にフィットしそうか)

例えば、大手企業の場合、エントリーシートの通過率は20〜30%程度と言われています。そのため、エントリーシートの内容で他の応募者と差をつけることが、選考突破のカギとなります。

新卒エントリーシートを書く前に準備すること

エントリーシートを作成する前に、自己分析と企業研究をしっかり行い、事前準備を整えることが成功の鍵です。事前準備を怠ると、抽象的で魅力に欠けるエントリーシートになってしまい、選考で不利になる可能性があります。
ここでは、エントリーシートを書く前に必ずやっておくべき3つの準備について詳しく解説します。

準備1. 自己分析を徹底する

エントリーシートで最も重要なのは、「自分をどう表現するか」という点です。そのためには、自分自身について深く理解する必要があります。自己分析を通じて、以下の点を明確にしておきましょう。

自己分析の目的

  • 自分の強みや価値観を明確にする:エントリーシートの自己PRやガクチカに具体性を持たせるため。
  • 自分の経験を掘り下げる:学生時代の経験や成果を整理し、企業に伝える材料を作る。
  • 自分のキャリアビジョンを描:入社後の目標や志望動機を作成する際に必要。

自己分析を効率的に行う方法

  1. STAR法を活用する

    STAR法は、過去の経験を整理し、具体的なエピソードとして活用するためのフレームワークです。

    S(状況):どんな状況で何をしていたか(例:サークル活動でリーダーを務めた)
    T(課題):どのような課題や目標があったか(例:大会参加メンバーを増やす必要があった)
    A(行動):課題に対してどのような行動を取ったか(例:勧誘イベントを企画し、SNSで広報活動を行った)
    R(結果):行動の結果、どのような成果を得たか(例:参加人数が前年比150%増加した)

    このフレームワークを使うと、自己PRやガクチカで具体性のあるエピソードを作成できます。

  2. オンラインの自己分析ツールを活用する

    「リクナビ」や「マイナビ」などの就活サイトで提供される自己分析ツールを活用することで、簡単に自分の強みや適性を把握できます。ツールを利用すると、自分では気づかない視点から強みを見つけることができるのでおすすめです。

  3. 友人や家族にフィードバックをもらう

    他者から見た自分の特徴や強みを知ることで、より客観的な自己分析ができます。「私の強みは何だと思う?」と聞いてみるだけでも新たな発見があるかもしれません。

自己分析については、以下の記事も参考にお読みください。

準備2. 企業研究を深める

エントリーシートで書く内容は、企業が求める人物像やスキルに合致している必要があります。そのためには、企業研究を徹底的に行い、企業ごとに異なる特徴を把握することが重要です。

企業研究の目的

  • 企業が求める人物像を理解する:志望動機や自己PRを企業のニーズに合わせて作成するため。
  • 企業の理念や事業内容を理解する:具体的で説得力のある志望動機を書くため。
  • 競合他社との差別化を明確にする:なぜその企業を選んだのかを説明できるようにするため。

企業研究を深める方法

  1. 公式ホームページや採用ページを確認する
    企業の理念やビジョン、事業内容を知るためには、まず公式サイトをチェックしましょう。特に「採用情報」ページには、新卒採用で求める人物像やスキルが明記されていることが多いです。
  2. 社員のインタビュー記事を読む
    採用パンフレットや就活サイトに掲載されている社員インタビューを読むと、実際の働き方や社風を知ることができます。特に「若手社員の活躍例」は、志望動機や入社後の目標を書く際のヒントになります。
  3. 競合他社と比較する
    同じ業界の他社と比較し、「その企業ならではの強み」を見つけましょう。これを志望動機に反映させると、説得力が増します。
  4. ニュースやプレスリリースをチェックする
    企業の最新の取り組みや業界での立ち位置を知るために、プレスリリースやニュース記事を確認しましょう。「今後注力する分野」や「新しいサービスの発表」など、面接やエントリーシートで使える具体的な情報が得られます。

準備3. エントリーシートの質問例をリストアップする

エントリーシート(ES)を書く際にスムーズに取り組むためには、事前にどのような質問が出されるのかを把握しておくことが重要です。エントリーシートの質問は企業や業界によって異なりますが、「志望動機」や「自己PR」など、定番の項目が多く出題されます。これらの質問に対してしっかりと準備しておくことで、効率よく、かつ質の高い回答を作成することができます。
本章では、エントリーシートでよく出される質問例や業界ごとの特徴的な質問をリストアップします。これを参考に、事前に回答の方向性を考え、企業ごとにカスタマイズされた内容を用意しましょう。

よくある質問例

  • 志望動機:「なぜこの業界・この企業を選んだのか?」
  • 自己PR:「あなたの強みを教えてください。」
  • 学生時代に頑張ったこと(ガクチカ):「最も力を入れた取り組みと、その成果を教えてください。」
  • 長所・短所:「あなたの長所と短所は何ですか?」
  • 入社後の目標:「入社後に挑戦したいことを教えてください。」

業界別の特徴的な質問例

  • IT業界:「どのような技術やサービスを実現したいですか?」
  • 商社業界:「グローバルな環境で活躍するために必要だと思うスキルは何ですか?」
  • 金融業界:「お客様に信頼されるために必要なことは何だと思いますか?」

事前準備のポイント

  • 過去のエントリーシート質問を収集する:インターネットや就活サイトで他の学生の経験談を探しましょう。
  • 業界や企業に特化した質問例に対応する練習をする:事前に回答例を作成しておくとスムーズに書けます。

エントリーシートの基本構成と書き方のコツ

エントリーシート(ES)は、企業が応募者の個性やスキル、志望度を見極めるための重要な書類です。エントリーシートの内容が不十分だと、選考通過が難しくなるため、各項目を正しく理解し、企業の求める人物像に沿った内容を書くことが求められます。
ここでは、エントリーシートの基本構成と、それぞれの項目の書き方のコツを詳しく解説します。

エントリーシートの基本構成

エントリーシートには以下のような項目が含まれていることが一般的です。これらの項目をしっかりと押さえ、企業に魅力的に伝える内容を作りましょう。

  1. 志望動機
  2. 自己PR
  3. 学生時代に頑張ったこと(ガクチカ)
  4. 入社後の目標やキャリアプラン
  5. その他(趣味・特技、資格など)

各項目の具体的な書き方

1志望動機の書き方

志望動機は、エントリーシートの中でも特に重要な項目です。「なぜこの企業を選んだのか?」を明確に伝えることが求められます。企業の特徴や強みを踏まえ、具体的な内容で説得力を持たせることがポイントです。

構成のコツ

  1. 結論(志望理由)
    • 最初に「なぜこの企業で働きたいのか?」を端的に述べる。
    • 例:「御社の〇〇という理念に共感し、〇〇の分野で貢献したいと考えています。」
  2. 理由(企業研究の結果を盛り込む)
    • 「御社の〇〇という事業内容や社風に魅力を感じました。」など、企業研究を基に具体的な理由を書く。
  3. 企業でやりたいこと(自分のビジョン)
    • 入社後に挑戦したいことや自分のスキルを活かせる具体的な場面を述べる。

志望動機の例文(IT業界の場合)
「私は、貴社の〇〇というサービスを拝見し、日常生活を豊かにするIT技術に魅力を感じました。大学では〇〇の研究を行い、〇〇の技術を深めてきたため、貴社のプロジェクトでこの経験を活かせると考えています。特に、貴社が掲げる〇〇の理念に共感し、社会貢献性の高いサービス開発に挑戦したいです。」

2自己PRの書き方

自己PRは、自分の強みを企業にアピールする重要な機会です。抽象的な表現を避け、具体的なエピソードや成果を通じて説得力を持たせましょう。
構成のコツ

  1. 結論(自分の強みを明確に述べる)
    • 例:「私は〇〇力が強みです。」
  2. 具体例(エピソードや成果を示す)
    • STAR法を活用し、具体的な経験を述べる(例:アルバイトやサークル活動)。
  3. 企業での活かし方(入社後どう貢献できるかを述べる)
    • 例:「この経験を活かし、貴社の〇〇プロジェクトで貢献したいです。」

自己PRの例文(商社業界の場合)
「私の強みは、異文化対応力です。大学時代に1年間の海外留学を経験し、異なる価値観を持つ人々とのコミュニケーションを通じて、多様性を理解する力を身につけました。この経験を活かし、貴社のグローバルなビジネス環境で、新しい取引先の開拓に挑戦したいと考えています。」

3学生時代に頑張ったこと(ガクチカ)の書き方

ガクチカは、学生時代の取り組みを具体的に説明する項目です。 企業はここから、課題解決力や行動力を見極めます。

構成のコツ(STAR法を活用)

  1. 状況(S:状況):どんな状況で何をしていたかを説明する。
    • 例:「サークル活動で、〇〇の大会を目指して活動していました。」
  2. 課題(T:課題):どのような課題や目標があったか。
    • 例:「新入部員が少なく、大会の出場条件を満たす人数が足りませんでした。」
  3. 行動(A:行動):課題に対してどのような行動を取ったか。
    • 例:「新入部員の勧誘イベントを企画し、SNSを活用して広報活動を行いました。」
  4. 結果(R:結果):行動の結果、どのような成果を得たか。
    • 例:「新入部員を10名獲得し、目標だった大会に出場することができました。」

ガクチカの例文(ゼミ活動の場合)
「私は、大学のゼミ活動で研究プロジェクトをリーダーとして取りまとめました。当初、メンバーの研究進捗にばらつきがあり、成果発表が危ぶまれる状況でしたが、毎週進捗確認の会議を設け、タスクを明確に分担しました。その結果、予定通り研究を完成させ、学内コンペで優秀賞を受賞することができました。この経験から、課題解決に向けてチームをまとめる力を身につけました。」

4入社後の目標やキャリアプランの書き方

企業は応募者が入社後にどのように成長し、どのように貢献するかを知りたがっています。そのため、企業の成長と自分の成長をリンクさせた内容を書くことがポイントです。

構成のコツ

  1. 結論(入社後の目標を明確に述べる)
    • 例:「私は、貴社の〇〇事業で〇〇に取り組みたいです。」
  2. 具体例(自分のスキルや経験を活かせる場面を示す)
    • 例:「大学で学んだ〇〇を活かし、新規プロジェクトの推進に貢献したいです。」
  3. 将来のキャリアプランを描く
    • 例:「将来的には、〇〇の分野でリーダーシップを発揮し、貴社の成長に貢献したいです。」

キャリアプランの例文
「私は、貴社の〇〇事業において、〇〇の分野で新しい価値を生み出すプロジェクトに挑戦したいと考えています。大学での研究で培った分析力を活かし、新規顧客の開拓に貢献したいです。将来的には、プロジェクトリーダーとしてチームを牽引し、貴社のグローバル展開を支える人材を目指します。」

エントリーシートを書く際の注意点

エントリーシート(ES)は、新卒採用の第一関門として、応募者の個性やスキルを企業に伝える重要な書類です。しかし、どんなに優れた経験やスキルを持っていても、書き方を間違えると企業にその魅力が伝わらず、不合格につながる可能性があります。

エントリーシートを書く際には、「具体性を持たせる」「フォーマットや文字数に注意する」など、基本的なポイントをしっかり押さえておくことが必要です。また、誤字脱字や内容の曖昧さといったミスを防ぎ、企業ごとにカスタマイズされた内容にすることで、選考通過率を大きく上げることができます。

本章では、エントリーシートを書く際に特に注意すべきポイントと、避けるべきミスについて詳しく解説します。最後にもう一度、提出前に確認すべきポイントを押さえ、自信を持って提出できるエントリーシートを完成させましょう!

01.曖昧な表現を避け、具体性を持たせる

NG例:「コミュニケーション能力があります。」
OK例:「アルバイトで〇〇人のチームをまとめ、顧客満足度を向上させました。」

02.文字数やフォーマットに注意する

  • 指定文字数を守る。文字数が多すぎると印象が悪くなる。

新卒エントリーシートの例文集

志望動機例文(IT業界)

「説明会での〇〇の話を聞き、自分も〇〇に挑戦したいと思いました。」

自己PR例文(商社業界)

「留学中に培った異文化対応力を活かし、〇〇で貢献します。」

まとめ|新卒エントリーシートで選考を突破しよう!

エントリーシートは、新卒採用選考の最初のハードルであり、あなたの魅力を企業に伝える大切なツールです。履歴書や職務経歴書とは異なり、エントリーシートでは「なぜこの企業を選んだのか」「自分が何をできるのか」を具体的にアピールすることが求められます。そのため、準備不足や抽象的な表現では選考を突破するのは難しいでしょう。

本記事では、エントリーシートを成功に導くためのポイントを解説しました。以下のステップをしっかり押さえ、他の応募者と差をつけるエントリーシートを完成させましょう!

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